「あ、人識さんだ・・・」



下校途中にひっそりと存在している公園に、年上の彼が居た。

公園の入り口にいるのに、彼はわたしの姿に気付いたらしく、片手を少し上げてわたしを呼んでいるようだった。

今日はツいてるかもしれない。今朝見た占いを思い出して少し笑った。




備え付けてある白いベンチに2人で腰かける。お互いにクレープを頬張りながら。わたしも甘いもの好きだし!

他愛も無いおしゃべりをしていた。ああ、なんて幸せ。こういうのが私たちに許された青春という特権だろう。

だって、今のうちしか自由にこんなことできないし。自由って素晴らしい!



「・・・人識さん、美味しいですか?」


「美味いぜ。甘いもの食ったのなんて久しぶりだ」


「そうなんですか?・・・・・・でも、喜んでもらって良かったです」


「俺の方こそサンキューな」



遠距離恋愛の方がまだマシだと思う。だって会いたいって思えば何とかすれば会えるんだから。

でも、わたしの場合、人識さんが現れない限り会えない。

それがわたしにはちょっと(じゃなくて本当は、かなり、だけど)寂しいし、悲しいけど、それでいい。

それでも人識さんに会えるからいい。(いいと、思ってる)



「このクレープ美味しいですよね。今度、友達にも教えてあげよーっと」


「ああ、マジで美味い。かはは、こりゃ買いだめでもしとくかな」


「・・・クレープの買いだめなんて聞いたことありませんよ」


「だろーな」



そういって同時に噴出した。(彼特有の笑い方も健在だ)

ほら、こんなこと出来るんだもん、幸せ。だからもっと触れていたくて、身体を彼の方に寄せた。

彼の体温があったかい。わたしはちゃんと隣にいる(確認しないと不安になるの)。



「何だあ?。しばらく見ないうちに甘えん坊になったな」


「そういう人識さんだって、しばらく見ないうちにまたカッコよくなりましたね」


「かははっ!そいつは有難いね」



わたしの言葉に嬉しそうに笑ってくれるから。それだけでわたしは満たされる。

今まで離れていた時間など忘れてしまうほどに。満たされる。ああ、幸せ。



、口にクリームついてんぞ」


「え、嘘!」



わたしがポケットからティッシュを取り出す前に、彼はわたしについていたクリームをぺろりと舐めた。

舐められた場所は唇だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・思わず絶句。



「な、な、な・・・!!!!!」


「な?な、がどーしたんだい?ちゃん」


「何してるんですか!恥ずかしいじゃないですか!!!」


「うーん?いや、久しぶりにの唇に触れてみたかったんだよ。ごちそうサマでした」



顔に熱が集中していて、言い返す言葉も考え付かなかった。

それでも嬉しいと思うのは、やっぱり目の前にいる彼がだいすきだからに違いない。









ハッピー
    ハピネス
        ハッピー










≫『戯言シリーズ』零崎人識で年下ヒロインで甘。紅宮様、如何でしたでしょうか?

遅れたとか、そういう次元じゃないような遅れようです。本当にすみませんでした。
何ヶ月経ってんだって感じです(だからそんな次元の話じゃない)。もう半年も経ってしまった・・・。
しかも消化不良をおこしそうな・・・・・・。
本当に本当に本当にすみませんでした!!!もう、これしか言う事がありません・・・。

ご応募してくださりまして、本当にありがとうございました!(20070117)

配布は終了いたしました。