いつも通り一仕事を終えて帰ろうとした時、
俄雨が夕飯の買い物をしたいと雷光に申し出たので、あたしは今、雷光と2人で俄雨の会計が済むのを待っている。
夕焼け空が広がる。
子供を連れて、俄雨と同じように夕飯の買出しにこの商店街を訪れる親子がやけに目につく。
てか俄雨のやつ、ナチュラルに馴染みすぎだろう・・・。
何だかんだ言って、
料理はあいつの方が得意だし(別にあたしが料理出来ないわけじゃないけど、自主的にそれも嬉しそうにやってくれる人間=俄雨が居るから、態々あたしが作らなくてもいいかなって思うんですよ)(いや、だから作れないわけじゃなくてあいつの手柄は横取りしちゃ悪いかなって!)、
世話焼きだし(ああ、この場合の世話焼きっていうのは、あたしの隣でぼけっと突っ立っている雷光にだけ有効な言葉で、あたしに対しては自分でやれ、の一刀両断ですよ!)(かわいくないやつ!)、
だから結論からいくと、俄雨はいい奥さんになるなあって話!(わらえる!)
ぷぷぷと笑いを堪えていると、雷光は不思議そうに「どうしました。何か面白いことでもありました?」と首を傾げた。
いやいや、フリフリのエプロン付けた俄雨を想像してたら予想以上に面白かったなんて言えないよね。
あいつ地獄耳だから絶対に聞こえるだろうし(前に聞かれて叩かれた)。
別に怒ったって怖くはないんだけど、いつまでもしつこくしつこくコンロの油汚れ並みに本当にしつこいから・・・。
「いやね、俄雨はいい奥さんになるなあ、と思ったんだよね。雷光もそう思わない?」
けたけた笑って雷光に同意を求めてみるも、あれ?なんかきょとんっとしてるし・・・。
・・・・・・・・・・・・あたしなんか変なこと言ったかな?
いや、言ってないはず。確かに、俄雨に対してはかなり怒られるようなことは言っているけどさ!それはいつもだし。
何ともいえない表情をした男女の横を、
忙しそうに我が子の手を引く母親と、桃色の髪の色を物珍しそうに見る子供が通り過ぎていく。
しばらくはお互いの顔を見詰め合っていたが、雷光がゆっくり口を開いた。
にっこりと、卒倒するぐらいに綺麗な綺麗な笑みを浮かべて。
「私はの方が、自慢の素敵な奥さんになると思っていますけれどね」
そのあとに、あたしの頬を撫でながら「俄雨なんか、私のの足元にも及ばないよ」と付け足した。
綺麗な夕焼けのコントラスト
「お待たせしました雷光さん!・・・あれ、顔赤いけど」「うっさいな!夕日のせいだよバカ!!」「な!どうして僕がお前にバカって言われなくちゃならないんだよ!」「バカにバカって言って何が悪いんだよアホ!!!」「あ、アホってお前、この、「静かにしないと家に入れてやらないよ、俄雨」「すみませんでした(何で僕だけ・・・!)」
(20070412)
(なんか当初の予定とは全く違う話になってしまった初!隠の王にして雷光さん夢)
(まあ、補足をさせて頂けるのなら、雷光さんの脳ではすでに新婚生活まで発展しているっぽいです)
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