GAME












「なあ。俺とゲームしよう」


「・・・・・・・・・・・・・・・は?」







目の前で優雅にコーヒーを飲みながら優雅に(大抵の人間にはそう見える)笑みを浮かべ

言った言葉が、『ゲームしよう』とな。何だコイツ。頭イカれたか。あ、もとからか。







「失礼な事いわないでくれ。俺はもとから正常だよ」


「(コイツ、読心術使えたか?いや、まさか)」


「読心術の一つや二つ、誰でもできるよ」


「・・・・・・・・・」







もう何も考えないようにしよう。

でだ、本題を見失ってはいけませんよ。と、思い直す。







「何でゲーム?別に私は暇じゃないからどっか行ってくれない?」


「それは俺が暇だからとゲームをしようと思ったんじゃないか」


「私は暇じゃない」


「俺は暇だけどね」


「私の知ったことじゃない」


「で、ゲームなんだけどね」


「シカトかよ!!うわ、最低だ。暇じゃないって言ってるでしょ」


「俺が勝ったら何でも好きなことが出来る。が勝っても好きなことが出来る。

 何をしても何をやっても何を望んでも、お互いが出来る範囲ならば何でも出来る。

 どうだい?面白そうな条件だろ」


「いや全く。下心丸見えだけど?」


「そんなことないさ。心配性だな。大丈夫、俺が保障する」







コイツが提案したゲームなんて碌なものがない。何かするに決まってる。

じゃなきゃ、態々コイツがゲームしよう、なんていう筈がない。絶対に何かある。

のっかるな私。乗せられたら、そこで終わりだ。







「・・・・・・・で、何のゲームするの?」


「OKしてくれたんだ」


「してない。そのゲーム次第で考えるから」


「・・・・・ジャンケン?」


「何故に疑問系。・・・・・・・ジャンケンか」







ジャンケン・・・強いのか弱いのか。うーん、特定の人になら勝てるけど、

初めての相手となるとどうだろう。勝てるかな・・・・・・。うーん。

私が勝ったらもう二度とうちに来るなって言おう。ちなみに今回も不法侵入。







「不法侵入だなんて酷いね。きちんとドアから入ってきただろう?」


「壊して、だけどね。また新しくしなきゃいけないじゃない。いい加減にして欲しいよ」






また読まれたけどね。

勝てるかわからない勝負をするのは得策じゃないよね。ことわろ・・・







「ふーん。は勝てない勝負には挑まないんだ。まあ、それは普通だ。けど、

 は逃げた、ってことになる。それはいいのかい?君はこの俺に負けた、

 そう断言するけど、いいね?」



「受けてたってやろうじゃない」


「(単純だな。ま、そこが可愛いけど) それじゃあ始めるよ」


「(誘いに乗っちゃったし!くっ、仕方ない。こうなれば絶対に勝つ) いいわよ」


「「さいしょはグー。じゃんけん・・・」」
































「ほらほら、そんなに落ち込まない。は笑ってるほうが可愛い」







5回勝負して、3回負けた。敗北。私の負け。泣きたい。

こんな口説き文句など言われたって、コイツのこの笑ってる顔見てると殴りたくなってくる。

くそ、誘いに乗った私がバカだった・・・。ジャンケンなど二度とするものか・・・!!!

マジで、最悪。軽く鬱はいるね、これ。







「これまた酷い言われようだね。心外だ。けど誘いに乗ったのは間違いなく、君だよ?」


「わかってる、わかってますよー。で、何?はやく用件言いなさいよ」


「うん?どうしようかな。こう改まると、何からやろうか迷うね」


「は?一つだけでしょ、まさか」


「誰も一つだけなんて言ってないよ」







・・・・・・・・・・・・・?


え?何その、然も当然、みたいな表情は。き、聞いてないよ。







「まあ、言ってもいないけどね」


「普通、そういうのは一つだけでしょう?!!!」


「何時も俺が普通じゃないって言っているのは何処の誰だったかな?」


「うっ・・・・、でもっ!「でもは無しだよ」







手首を掴まれる。ソファに座っていた私は、何時の間にか近づいていたコイツに、

軽く、押し倒される。







「ちょ・・・っと、離し「俺の言う事は絶対に聞かなくては駄目だよ、







眼鏡の奥の双眸が酷く、冷たい。けど、逸らせないのは、何故だろう。

この男には、そういうチカラが、あるのかもしれない。そう思った。







「まずは、そうだね。その『コイツ』、とか言われるの嫌だから、きちんと名前で呼んで」


「何で、そんなこと、」


「ゲームの条件、忘れたなんて、言わないだろ?」


「っ、・・・・・・・が、垓輔」


「そんなに嫌そうに呼ばないでくれよ。傷つく」


「そのくらいで傷つかないでしょ。それより早く退け。離れろ」







何でコイツのいうこときかなきゃいけないんですか。

過去に戻れたら、こんな事する前にコイツの息の根を止めてやる・・・・・。







「名前で呼べって言っただろ。全く・・・でも調教しがいがあるね」


「ちょ、調教?!!退け!この変態!!!!」


「そうだな・・・・・ここじゃなんだし、、寝室ってあっちだったよね?」


「知らない聞くな!!やめて!本当勘弁してください!!!!」


「敬語って、ちょっとそそるね」


「何いって・・・んっ、んー!!!!」







講義をしようと開いた口から滑り込んだ舌。それは優しいキスなどではなく、

荒々しい、独占欲の塊のような、噛み付くようなキス。

呼吸をする間も与えさせないで、続く。麻酔のような、それ。







「っ、はっ、な、何する・・・・・」


「ちょっと煩かったから。キスしたときの、色っぽかったよ」


「黙れこの変態」







くそ、腰ぬけた・・・。恥ずかしいし。

自然と顔を逸らす。体勢は変わらないけど。







「腰ぬけたんじゃ仕方ない。俺が運んであげるよ。ほら、行こう」


「いいから!!そんな心遣いいらない!お姫様抱っことか恥ずかしいから!!

 ちょっと・・・本当、恥ずかしい・・・・・・」



「心配いらない。でも覚悟しておく事だね、







声にならない叫びをあげて、これからのピンチをどう切り抜けるか、無謀な事を考えた。

今の垓輔から、逃げ出せるはずがないのだけれど。





















≫20000打ありがとうございました!そして矩凪さんに差し上げたいと思います!!
 リクは「兎吊木さん指名」だけだったので、こんな微妙すぎるものに・・・・・・。
 何がやりたいのか全然わからなくなってしましました。この後の展開はご想像にお任せして。
 私が書くとほんと、変態に。でも、それがうつりーでしょ!(酷)

 矩凪さんだけお持ち帰りOKです。こんなものですが、喜んでいただけると嬉しいです。
 遅くなってしまい申し訳御座いませんでした。
 私からのささやかなお年玉とでもいいますか、贈り物です。あけおめ!!(20060101)