欠陥製品と人間失格。
同じようで違う。対照的。相容れないもの。
だけど、そんな2人でも好みのタイプは一緒らしい。
君の隣にいる人は
「お、欠陥製品。なんだ?ここで会う予定なんかなかった筈なんだけどなぁ?」
「なんだ、人間失格。僕の方こそ君に会う予定なんかなかったけどね」
とあるマンションの玄関付近。そこに2人の人物が佇んでいる。
「人間失格で連続殺人犯のやつがどうしてこんなところに居るんだ?」
「欠陥製品で連続戯言遣いなのがどうしてここにいるのか俺にも理解できねーが、
俺はまぁ、愛しの俺のちゃんに会いに来たところだけどな」
「奇遇だね。僕も僕のちゃんに会いに来たところだったんだ。
零崎、君とは何時も不思議と繋がっている気がするんだけど、どうかな?」
「おう、俺の方もそう思ってたとこだったんだ。奇遇だな。腐れ縁ってやつか?
ま、そんな簡単なシンプルなもんじゃねーけどな」
「全く・・・。君との縁なんか・・・」
「同じく。お前との縁なんか・・・」
「「嫌でいやで仕方がないな」」
人間失格は笑って、欠陥製品は笑わなかった。
相変わらず、マンションの玄関付近での会話が続く。
何時もならば数時間、当たり障りなく他愛もない話で盛り上がるのだが、今日はそんな暇すらないらしい。
お互い、早くこの会話を終わりにして目的の場所に行きたいらしい。
切り出したのは以外にも、欠陥製品の方だった。
「なあ零崎。お前いい加減に帰ったらどうだ?」
「欠陥、お前の方こそ早く家に帰れよ。隣のいかしたねーちゃんが待ってんじゃねーの?」
「君こそ、例の「アイツ」って人が家で待っててくれてるんじゃないのか?
それとも、君みたいなやつを待っててくれる人なんていないのかな?そうだったらごめん謝るよ」
「礼にはおよばねえよ。そういうお前こそ、ほんとは誰も待ってねーんだろ?悲しいな。
もしかしたらって場合は・・・ねーな、お前に限ってそんなことはねーな」
「無論、そんな心配はいらないさ」
「そうか、悪かったな」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「僕ははやくちゃんに会いたいんだよ。君なんかに構っている時間が惜しい」
「俺も早いとこに会って抱き締めたいんだよ。俺の言いたい事ぐらいわかるよなあ?向こう側」
「君こそ僕の言いたい事ぐらいわかるんじゃないのか?だったら早く行動に移すべきだ」
「ああ、そうするさ」
青筋を浮かべつつ笑いながら目的の場所のドアの前に立つ。
そしてポケットから錠開け専用鉄具を取り出した。
堂々の不法侵入。それを許すはずもなく。
「ちょっと待て零崎。君の手に持たれているのはまさか錠開け専用鉄具なんて言わないよな?」
「うあ?よくわかってるじゃねーか欠陥。正真正銘錠開け専用鉄具だよ」
「全く。嫌われてるのにそこまでするとは、流石ストーカー」
「かはは、嫌われるとわかっていながら付け入ろうとするお前も凄いと思うけどな、俺は」
「君ほどでもないよ零崎。お褒めの言葉ありがとう」
「どういたしまして。お前に褒められるとは、俺も死んだも同然だな」
「お前は初めから死んでるだろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ちゃんが好きなのはこの僕だ」
「んなわけねーだろ。が好きなのは俺だ」
「君こそやっぱ頭イってるんじゃないのか?僕を呼ぶときのちゃん、嬉しそうだろ?」
「だからお前こそ何言ってんだ?俺を呼ぶときのの方が嬉しそうだろ。色っぽいし」
「君こそちゃんのどこ見てるんだ?
全く、これだから殺人鬼は困る。死人とラブコメでもしてろ」
「ああん?お前こそのどこ見てんだよ、いやらしい。
人を困らせて快感得てる戯言遣いは自殺志願者に恋してろ」
人様のお宅の前で口論とは、近所迷惑にもほどがある。
近所など構わずに口論は続く。そのうち公害で訴えられるのではないか?と思うほど煩い。
内容が内容でもう、止められはしないが。
「そもそも家に呼んでもらったのは僕だ。今夜が楽しみだな」
「勝手に上がり込んでんじゃねーよ。俺との愛の巣に。帰れ。お前に夜はねーな、かははっ」
「言ってろ」
「黙ってろ」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
バンッッッ!!!!
「「(ちゃん)!!!!!!!!」」
最終的には強行突破。
ドアなど初めからなかったように軽くふっとばし、勢いよく目的の人物へと走り寄る。
欠陥製品と人間失格の本気の戦いだった。
開け放ったリビング。2人の見た光景は、
「あれ?2人とも、遅かったね」
「お、いーたんに零崎くん、遅かったじゃねーか。待ちくたびれたぜ」
「人識君遅いですよう。私の方が先っておかしいですよ」
「いー兄、人を待たせるのはよくないですよ」
「お兄ちゃん、何とか言ったらどうなんですか」
「ふん。何も言えないのか?俺の敵。それにー・・・零崎人識」
「「えー・・・・っと?」」
目的の人物、は居るのはいいが、いささか人数が多い気がする。気などではなく、現実のものだが。
哀川潤に零崎舞織、石凪萌太、闇口崩子、西東天がテーブルを囲むように座っていた。
これまた濃いメンツだ。
「・・・・・えっと、どうして・・・・?」
「みんな呼んだほうが楽しいじゃない!だって鍋だよ?そんなとこ突っ立ってないでほら、早く食べよ!2人とも!」
「え、あ、うん。そうだね」
「ちぇっ、まあいいか、次の機会に・・・・・」
「ああん?に手ぇだしてみろ。このあたしが直々に成敗してくれる」
「「「「「「わかったな?」」」」」」
「・・・・・・・・・・・・・・」
欠陥製品と人間失格の言い合いも虚しく終った。
ライバルは星の数ほど。誰が勝つのかは、まだ、わからない。
≫25000打ありがとうございました!そして朱鷺さんに差し上げます!!!
リクは「欠陥製品 vs 人間失格」だったので、こんなものに。本人登場してませんね。
なんか、ほんと、微妙すぎてる・・・。ぐげは!ごめんなさい!!!!オチも微妙です。
朱鷺さんだけお持ち帰りOKです!こんなものですが、貰ってやってください。
遅くなってしまって申し訳御座いませんでした。
私からのささやかなお年玉とでもいいますか、贈り物です。あけおめ!!(20060101)