第  話








潤さんに骨董品アパート付近に降ろされた。(付近だから歩けって事)






「色々とお世話になりました」


「こっちこそ無理やり連れて来ちまったからな。今度、飯でも奢ってやるよ」


「いえ、そんな悪いです!潤さんも色々と忙しいのに」


「気にすんじゃねーって。それとも何か?おねーさんと食事するのが嫌なのか?」


「そんな事無いです!迷惑・・・・・じゃないですか?」


「迷惑だったらあたしはこんな事言わない」






そして潤さんはシニカルに笑った。それがとても安心できた。

なんか、わかんないけど、安心できた。






「今度、絶対に奢ってくださいね!」


は笑顔の方が断然可愛いぜ。俯いてるよりは、な」






女の人に赤面したのは生まれて初めての体験です。

潤さんには敵わないなぁ・・・・・・。(敵う人間はこの地球上には居ないと思う)






「照れちゃって、かーいー。んじゃ、いーたんに宜しく」


「はい、潤さん、また」






最後に私の頭をくしゃくしゃに撫でて行ってしまった。

去っていったコブラを思いながら、考える。考えて、思う。

また物語りに関わってしまったけど、悪い気がしないのはどうしてだろう?




アパートに戻り、いーが起きていたので、とりあえず蹴っておいた。

弁慶の泣き所を軽く蹴ったら、そうとう痛かったみたいで転がりまわっている。

そのくらい平気だろうに。だって、これから色々死闘があるのにね。全く。






「あ、そうだ、いー!」


「な、何かな?」


「(涙眼・・・。いーが涙眼・・・)これ、潤さんから」


「哀川さんから?」


「いーにプレゼントだって。必要なときに使うようにって」


「必要なとき・・・ね。どれどれ」






袋を覗くと・・・・・メイド服が入っていた。見せられない、これは見せられない。

哀川さん、確信犯だ。必要なときって何だよ。

そりゃ、ちゃんはさ、って何を考えてるんだぼくは。






「いー?どしたの?で、何貰ったの?」


「ん?ちょっとね。訳あり・・・・・かな」


「・・・・・・・・・何か隠してるでしょ。いー?」


「(上目遣いは反則だ)見てもいいけど、ぼくには全く関係の無い事だ。

 それよりも、ちゃんの命が危険に晒されるかもしれないというリスクが伴う」


「いーが嘘吐きなのは十分に知ってますよー」


「ぼくが変人引き寄せ体質なのも知ってるよね?」


「う・・・」


「と、言う事で、これは封印しておくとしよう。ぼくは悪くないからな」


「何かよく分かんないけど、はーい」






見つからない所にしまっておかないと。ちゃん、怒るだろうし。

メイド服が入った袋を一応、押入れの中にしまっておいた。

諦めきれないのか、袋の中を考えてるちゃんは年頃の女の子で。

哀川さんにも気にいられた女の子。これは凄いと思う。また来るんだろうな、哀川さん。

アパートの住人とも仲良くなり、地域の人とも会話して。

凄い・・・・と思う。何が凄いのかは知らないが。


ま、戯言なんだけどさ。


ちゃん、可愛いしな。狙ってるやつとか、居そうだ。

特に、あの人間失格なんかに会わせたら、何されるかたまったもんじゃない。

それだけは、阻止せねば。


まだ考えてる少女を見ながら、戯言ばかり思う。






ちゃん」


「ん?」






だから、そんな可愛い仕草とかすんなって。ちゃん、無防備すぎるんだよ。

だから、護りたくなるのかな・・・・、なんて、本当、戯言なんだけど。






「メイド服、似合ってたよ」


「!!!? っ!いーの馬鹿!」






今度は殴られた。グーで。

ま、いいんだけどね。僕、マゾだから。メイド服、また着てもらおうかな。



















      








≫番外編ぽくなりましたねー。ありゃ?人間失格が出てこなかった・・・。次回に!
 いーたんも男の子ってやつですよ!!変態ちっくになってしまった・・・。
 ま、いーたんは変態だから別にいっか。(一番の変態は双識さんだと思う。あと狐さん)(20050730)