第 捌 話
潤さんに骨董品アパート付近に降ろされた。(付近だから歩けって事)
「色々とお世話になりました」
「こっちこそ無理やり連れて来ちまったからな。今度、飯でも奢ってやるよ」
「いえ、そんな悪いです!潤さんも色々と忙しいのに」
「気にすんじゃねーって。それとも何か?おねーさんと食事するのが嫌なのか?」
「そんな事無いです!迷惑・・・・・じゃないですか?」
「迷惑だったらあたしはこんな事言わない」
そして潤さんはシニカルに笑った。それがとても安心できた。
なんか、わかんないけど、安心できた。
「今度、絶対に奢ってくださいね!」
「は笑顔の方が断然可愛いぜ。俯いてるよりは、な」
女の人に赤面したのは生まれて初めての体験です。
潤さんには敵わないなぁ・・・・・・。(敵う人間はこの地球上には居ないと思う)
「照れちゃって、かーいー。んじゃ、いーたんに宜しく」
「はい、潤さん、また」
最後に私の頭をくしゃくしゃに撫でて行ってしまった。
去っていったコブラを思いながら、考える。考えて、思う。
また物語りに関わってしまったけど、悪い気がしないのはどうしてだろう?
アパートに戻り、いーが起きていたので、とりあえず蹴っておいた。
弁慶の泣き所を軽く蹴ったら、そうとう痛かったみたいで転がりまわっている。
そのくらい平気だろうに。だって、これから色々死闘があるのにね。全く。
「あ、そうだ、いー!」
「な、何かな?」
「(涙眼・・・。いーが涙眼・・・)これ、潤さんから」
「哀川さんから?」
「いーにプレゼントだって。必要なときに使うようにって」
「必要なとき・・・ね。どれどれ」
袋を覗くと・・・・・メイド服が入っていた。見せられない、これは見せられない。
哀川さん、確信犯だ。必要なときって何だよ。
そりゃ、ちゃんはさ、って何を考えてるんだぼくは。
「いー?どしたの?で、何貰ったの?」
「ん?ちょっとね。訳あり・・・・・かな」
「・・・・・・・・・何か隠してるでしょ。いー?」
「(上目遣いは反則だ)見てもいいけど、ぼくには全く関係の無い事だ。
それよりも、ちゃんの命が危険に晒されるかもしれないというリスクが伴う」
「いーが嘘吐きなのは十分に知ってますよー」
「ぼくが変人引き寄せ体質なのも知ってるよね?」
「う・・・」
「と、言う事で、これは封印しておくとしよう。ぼくは悪くないからな」
「何かよく分かんないけど、はーい」
見つからない所にしまっておかないと。ちゃん、怒るだろうし。
メイド服が入った袋を一応、押入れの中にしまっておいた。
諦めきれないのか、袋の中を考えてるちゃんは年頃の女の子で。
哀川さんにも気にいられた女の子。これは凄いと思う。また来るんだろうな、哀川さん。
アパートの住人とも仲良くなり、地域の人とも会話して。
凄い・・・・と思う。何が凄いのかは知らないが。
ま、戯言なんだけどさ。
ちゃん、可愛いしな。狙ってるやつとか、居そうだ。
特に、あの人間失格なんかに会わせたら、何されるかたまったもんじゃない。
それだけは、阻止せねば。
まだ考えてる少女を見ながら、戯言ばかり思う。
「ちゃん」
「ん?」
だから、そんな可愛い仕草とかすんなって。ちゃん、無防備すぎるんだよ。
だから、護りたくなるのかな・・・・、なんて、本当、戯言なんだけど。
「メイド服、似合ってたよ」
「!!!? っ!いーの馬鹿!」
今度は殴られた。グーで。
ま、いいんだけどね。僕、マゾだから。メイド服、また着てもらおうかな。
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≫番外編ぽくなりましたねー。ありゃ?人間失格が出てこなかった・・・。次回に!
いーたんも男の子ってやつですよ!!変態ちっくになってしまった・・・。
ま、いーたんは変態だから別にいっか。(一番の変態は双識さんだと思う。あと狐さん)(20050730)