第 拾参 話









変態お兄さんと別れた後、(舞織ちゃんも頑張ってね・・・)

ちょっと遠出しようとして・・・・・・・・・迷いました。



子供か自分・・・!!



ど、どーしよう?1人で京都探索なんかするんじゃなかった・・・。

本当、ここどこだよ。・・・・・・全く解らない。

誰か、誰かに道を訊かなくちゃ・・・・・・・・家に帰れない!!(それだけは勘弁したい)



どんっ






「うわっっ!!??」






背中に衝撃が走り、バランスを崩して前に倒れる。






「痛・・・・・。(誰だよ、全く・・・。顔面じゃなくて良かった・・・)」


「すいません、大丈夫ですか?」


「あっ、はい、大丈夫です・・・・?!!」






見上げると、下半身に黒い袴、上半身には分厚い生地のけいこ着を身にまとい、

女のような顔立ちに和風の眼鏡、伸ばした黒髪を白い鉢巻で結んでいる、

本日2人目になる殺し名、その『早蕨』―――――・・・



早蕨薙真 がそこに居た。



そしてその隣には、然も当たり前のように 兄、早蕨刃渡 が立っている。





ど、どうして?!今日は『殺し名デー』とか言ったら、私はいーを殴るよ?!!(変人引き寄せ体質め!)

何で早蕨兄弟がここに、京都に居るのよ!!!!!

だーもう、本当にここ京都?!何なんだよ今日はー!!!






「いつまで座ってるんですか。いい加減、立ったらどーです?」


「あ、すみません」






立ち上がって服に付いた砂を落とす。

まじまじと顔を見てみる。・・・・・・・・・・やっぱり早蕨さん、ですよねえ?(嘘だと言って下さいよ・・・でもなぁ)

逢えて嬉しいけど、やっぱり恐怖感もある。『殺し名』・・・・。






「それじゃあ、僕たちはこれで失礼させて頂きますよ」


「ちょ、ちょっと待ってください!!!」


「?なんですか?まだ何かあるんですか?」


「えっと・・・・・道を教えて頂きたいんですけど・・・」


「「・・・・・・・・・」」


















*




















「態々、すみません」


「別にいーですよ。僕らもこっちに用がありましたからね、ね?兄さん」


「・・・・・・・」


「兄さんはこういう時も無口なんですね」






殺し名に(しかも早蕨!)に道を尋ねるのもどうかと思ったけど、周りに人も居なかったし、

仕方がなかったというか・・・・仕様がなかったという事で・・・。

でも、何なんだろう?この構図は。早蕨兄弟と並んで歩いてるよ・・・!!やっぱり嬉しいなー。

薙真さんも、男の人にどうかとは思うけど綺麗だし、刃渡さんだって綺麗だし。(それ以前に双子だしね)

いつもこんな格好してるんだな・・・・、2人とも。






「それにしてもさん。どうして道なんかに迷ったんですか?地元じゃねーんですか?」


「え?ああ、最近こっちに引っ越して来たから、まだ十分に道を覚えてなかったんです。

 今日は暇だったんで遠出してみたんですけど・・・」


「迷ったわけですか」


「・・・そうです」






自分でも調子にのったと思っております。(迷子って・・・)

でも、お蔭で早蕨の2人に逢えたんだからラッキーだよね!

なんてポジティブに考えてみる。


と、分かる、見慣れた道に出た。






「あ、ここで大丈夫です。迷惑掛けてすみませんでした。

 どうもありがとうございました、薙真さん、刃渡さん」


「別にどーってことねーですよ。さんも、もう迷わないように」


「はい、気をつけます・・・。では、さようなら。また、逢えたらいいですね」


「生きてりゃ逢えますよ。さん、然様なら」






薙真さんは私の頭を撫でた。意外に大きな手だ。というか、恥ずかしい。






「兄さん、行きますよ」


「先に行け。後から行く」


「兄さんにしては珍しいですねぇ・・・。先に行ってますよ」


「?」






薙真さんはスタスタと先に行ってしまった。あれ?兄弟喧嘩・・・ですか?

などと思考していると、刃渡さんがこっちを向いて何か言ったので吃驚した。






「・・・・何か言いましたか?」


「・・・・・・・・いや、また逢えればいいな」


「?!・・・・・・・・・はい。そうですね」






薙真さんと同じように頭を撫でて、言う。






、手前は死ぬなよ」


「!!!!!」


「じゃあな」






・・・・・・言い逃げ、された。刃渡さんが、そんな事言うなんて・・・・。


これから起こる物語を考えると、胸が痛んだ。


『死ぬなよ』・・・・・私は死にません、死ねません。双識さんも、そう言ってたし、そういう気がする。


また逢えたら なんて、私もどうかしてる。


私は何をしたらいいのか、まだ分からないけれど、これは夢じゃないから。


私の記憶には残るから。思い出として、残るから。


忘れ、ないから。

















      







≫早蕨兄弟が出ましたねー。はわたりんの口調がわからん。まだなぐまんならいけるけど。
 オールキャラ(男)目指してがんばってますー。わー、更新遅くてすみません。
 はわたりんは妹さん(弓矢ちゃん)を重ねてしまったんだと思います。なぐまんも分かってた筈。
 そんな感じです。早蕨兄弟は死んでないと信じてます!双兄も!(20050905)