第 拾肆 話









潤さんからメールが届き、(何でか潤さんがケータイを買ってくれた)(名義はどうしたんだとかは気にしちゃいけない)

いーが入院している事を知り、病院との往復が続いている。

今日も何時も通りにいーの病室を訪れている。






「いー、あとどのくらいで退院だっけ?」


「あと2日後だったと思うけど。もう寂しくなったの? ちゃん」


「ち、違いますー!!!

 ・・・もう、いーは怪我するの本当好きだよね。私もこのセリフ、何回も言ってる気がする」


「別に好きではないよ。他人が怪我すると僕も怪我するという不思議な身体なんだ」


「そしたら全人類と双子状態だね。・・・・・そろそろ帰るね」


「あれ?もう帰るの?」


「いーの身体に悪いし、買い物しなきゃだし」






時間を確認して、パイプイスを片付ける。






「それじゃあ、今度は退院のときに来るから!」


「気をつけて帰るんだよ」


「あーい。バイバイ」






荷物を持って病室を後にした。






「寂しいのは僕の方なんだけどね」






白い病室で、戯言遣いは呟いた。



















*



















買うものを買って、上機嫌でアパートの階段を上がる。

鍵を開けようとドアノブに手をかけ、どうもおかしいことに気づく。


(鍵が開いてる・・・・・・?)(ど、どうして?出るとき閉めたよね?)


パニック寸前。鍵、微妙に壊れてるよ?錯乱中。

恐る恐る開けると、そこには『人間失格』と『女子高生』が居た。



















*



















四畳間に3人は流石にキツイものがある。

くつろげと言っても無理な話しなので、もう何も言うまい。(何だか泣きたくなってきた)

私が言いたい事はこんな事ではなくて、(最近流されやすいと思う)(いーの影響かな?)






「どーして人識がここに居るんですか」


の顔が見たかったから」


「却下。人識に聞いた私がバカでした」


「(却下?!!!)かははっ、つれねーな。そんなとこも好きだぜ?」


「ば、バカだ!そんな恥ずかしいセリフよく言えるね!もういい、人識には何も訊かない」


「(かーいーなー
。誘ってるな絶対誘ってるな)」






大袈裟に溜息を吐いても全く効果なし。(人識には全てが効果なし)

でも、隣に座ってる女子高生は申し訳なさそうにしている。

というか、その女子高生は、零崎にして初の女の人で、双識さんにスカウト、勧誘された、

零崎舞織  なのである。(我が家に零崎が2人も)






「すみません。人識君が寄るとこあるからってついて来たんですけど・・・。

 お邪魔でしたよね?人識君、帰りますよぅ」


「舞織さんは気にしなくていいですよ。悪いのは全てそこに居る人間失格なんですから」


「痛い愛情表現。俺っち泣いちゃうよ?」


「あーはいはい。勝手に泣いててくださいねー。人識はこんなとこで油売ってる場合じゃないでしょうに。

 舞織さん・・・・あの、舞織ちゃんでいいですか?私もでいいんで」


「でた、の人の事は呼び捨てにする癖」


「癖って何だよ。変な命名しないでよ。私はフレンドリィになるにはまず、名前からって思ってるの。

 舞織ちゃん・・・・・でいいかな?」


「あ、どうぞお好きに呼んで下さい。私もって呼ばせてもらいますから」


「やった!で、話の続き。えーとどこまで話したかな・・・・・・、あー、そうそう、

 舞織ちゃんの手の事もあるのに。早く連れて行ってあげなきゃ辛いでしょ?」


「?どうしてが知ってんだ?まだ何も俺は言ってねーぞ」






あ、しくじった。どーしよう。上手く誤魔化さなきゃ。






「メールでの情報収集。私の情報網は銀河系並みなのだ」


「嘘八百。ま、いいや。で、ケータイ持ってたか?」






何とか誤魔化せた?あー、今週は『殺し名週間』らしいです。

人識も舞織ちゃんも、やっぱりどこか沈んでる。

でも、私は双識さんは生きてるって信じてる。だって・・・・・・、

ケータイの受信音が流れる。






「潤さんに買ってもらったの。私のイメージカラーは 白 なんだってさ」


「死色の・・・真紅か。確かには白って感じだけどな」


「お兄ちゃん・・・」






場の雰囲気が沈む。しらけさせてしまった。(禁句だよね、やっぱ)

でも、その場の雰囲気を戻してくれるメールが届いていた。






「・・・・・・・2人とも、もの凄く言いにくい事なんだけど、騒がずに聞いてほしい」


「何だぁ?改まって。妊娠しましたってんなら大歓迎だ」


「騒がずに・・・ですか。分かりました」






人識の言葉は無視し、2人の顔を交互に見つめ、間をおいて口を開く。






「双識さん、生きてるよ?」


「「ええ?!!!!!!!」」


「静かにとは言ってないけど、騒がずにってい「どういう事だ、!!」






壁に寄りかかっていた私の前に来て、ばんっと両手を壁に押しつける。

人識の顔が目の前にある以前に、凄い形相で見てくる人識に、ただ恐怖を抱いた。






「兄貴は死んだんだ、笑えない冗談は言うもんじゃねぇ」


「そうですよぅ、ちゃん。お兄ちゃんは・・・・死んだんです」


「・・・・・・冗談なんかじゃないよ」






人識の目を見つめ返す。疑いの眼差しだ。






「双識さん、今入院中なんだよ。あの後に潤さんに助けられたらしくって、それで今は秘密病院に入院中。

 潤さん、双識さん本人から聞いてるから、間違いないと思う」


「本人から?」


「ほら、証拠メール」






双識さんともメール交換をする仲になっている。

ついさっき、人識に言うか言わないかのメールを送って返事がきたのだ。






「本当だ・・・・・。はぁぁぁぁぁぁぁ、何かしんどいな」


「素直に喜びましょうよぅ、人識君。早速お兄ちゃんを怒りに行きましょう!」


「ああ、そうだな。今度こそ俺の手で殺して解して並べて揃えて晒してやる」


「ふっきれたっぽいね、2人とも」


のお蔭だな。お礼に恒例の・・・」






さっきのままの体勢なので逃げられず、今度は軽く唇にされた。






「な、何するの!キス魔か零崎一賊は!」


「・・・・・兄貴にもされたのか?」


「え?うん、デコにだけど」






人識の目の色が変わった。(気がした)






「よし、すぐ行くぞ。んじゃーな、。またくっから」


「人識君、置いてかないでください!また来ますね、ちゃん」


「き、気をつけてね!バイバイ、人識、舞織ちゃん!!」






嵐のように去っていってしまった。


・・・・・・鍵、直さないとな・・・。(誰に頼もう)

双識さん、死なないで頑張ってください。(無理そうかな)



















*



















「あの野郎、殺す。(に手ェだしやがって)」


「まぁまぁ、人識君落ち着いてくださいよぅ。あの人を殺るのは私です」






走る零崎はそんな事を言っていた。

















        









≫もう訳がわからん!番外チックにお送りしました。別名「殺し名さんと交流の巻!」でした。(何)
 無理やり過ぎた設定です。私の中では早蕨兄弟も生きてます。(無理っぽい)(前にも言ったよね、其れ)
 次はサイコロジカルに入りたいです。逆ハーですので。うつりーを出すぞー!(20050910)