第 弐拾肆 話









今日でめでたく8月になってしまった。夏はまぁ、好きなほうだ。暑くなければ。

暑くなければ夏じゃないんだけど、でも暑いと汗かくからそんなに好きじゃないってだけで。

つまり、私が言いたいのは―・・・・・・・






「どーして京都の夏はこんなにアッツいんだよーーーー!!!!」


が負け犬の遠吠えしてるですよ!」


「そりゃ京都だからな、。我慢だ」


「あち゛ーーー・・・」


「今度はうなぎ始まったです」


「ファイト」






姫、多分 唸り だと思うよ。京都の夏は、暑かった・・・。

只今炎天下の中、アパートの駐車場にてみいこさんと姫と私で剣玉大会をやってる。

みいこさん、さっきからずーっとやってるけどやっぱりできてない。

姫は本当、手元なんか見ないでやってる。今度、寝たままできるか訊いてみよう。

私は多少できた。大皿に乗せるぐらいだけど。その時もやっぱりみいこさん、驚いてた。

はう、かき氷食べたい。アパートのみんなとかき氷食べたいなぁ。






「みいこさーん」






お、いーが帰ってきたらしい。みいこさんしか呼ばぬとは何事だ、全く。ま、いいけどさ。






「おう、いの字」「あ、師匠ー」「いーだー」






ブロックに下ろしていた腰を上げた。うわっ、立ち眩み・・・。日射病になるー・・・・。

とてとてといーの所に走り寄っていく姫は、子犬みたいだった。か、可愛い。

私もいーのもとに歩いていく。






「おかえりなさーい」


「ただいま。・・・辛そうだね、ちゃん。大丈夫?

 
こんな直射日光の炎天下の中で剣玉なんかしてるからだよ。どうもです、みいこさん」


「うん」






マジでくらくらしてきた。早く退散しないと、ぶっ倒れてみんなに迷惑掛けちゃうよ。






「屈辱だ・・・・剣と名のつくもので、この私に操れないものがあるはずがないのだ・・・」


「・・・・・・結構無茶苦茶いいますね」


「みい姉さん、意外と不器用ですー」


「みいこさん成せばなります。諦めずに頑張ってください!」






姫が器用なだけだから・・・というツッコミはしないでおこう。

そんな見ないで地球一周させて剣先へと見事に収める人なんてそうそういるものじゃないし。






「なら、その言葉を実践に移してもらおうか」


「にゃぎ?」


「こんなとこで遊んでないで、勉強してきたまえ」


「にゃぎー」


「いーの鬼ー!!」


「いつから肩を持つようになったんだい、 ちゃん」






この暑い中、四角い部屋の中で勉強をやれというのは酷だ。下手したら死ぬぞ。

私なら確実に息絶えてます。だってミンミンとセミが鳴いてる中で勉強するなんて、耐えられない!

ので、姫を手助け。必殺お助け人!!(暑さで頭までやられてきたのかな・・・)






「どうしてそんなことが分かるですか?ひょっとしたら何かが進展するかもしれないじゃないですか。

 どうしてそうやって頭ごなしに人のやることを否定するですか。全く、やる気をなくさせてくれる師匠です」


「屁理屈言うな。・・・・・ったく、なんだかしんないけどいつの間にか口ばっか達者になっちまって」


「確実にお前の影響だ」


「うん、いーの影響だと思う」






私は大丈夫・・・・・だと・・・・思いたいな!

口は大丈夫だと・・・思うけど、生活パターンは似てきた気がする。睡眠時間あたりが。

うーん、だらだら生活もいい加減直さなきゃなぁ。






「分かりましたですよう。それではみい姉さん、遊んでくれてありがとうございました」


「ん? ん? ああ、うん」


「私もみいこさんのこと引っ張り出してきちゃってすみませんでした。楽しかったです!」


「気にするな。私も暇だったらな、丁度よかった。また誘えよ、


「そして師匠」


「なにかね」


「べーっだ!行こうです、 !」


「うん、今度みんなでかき氷食べましょうね!」






姫に手を引かれて走ってアパートに戻った。ついでに言うと、姫の部屋。

何で姫の部屋かというと、今いーの部屋には春日井さんが居るからだ。滞在1週間目。

で、私は邪魔になってしまったので、今は姫の部屋に居候させてもらっている。

いーは助けを求めるような表情をしていたけど、そうすると3人で住むようになってしまう。

流石にあの部屋に3人は無理があるので(人識が来た時も大変だったのに)物語を変えるとはいえ、

今のところは変えてはいけないので、ということだったりする。姫は喜んでくれたし。






「あっちー・・・・。姫ぇ、何か飲み物ない?」


「あー、丁度きらしてるですよ。水道水で我慢するしかなさそうですよ?」


「うっそ、マジで?ちー、仕様がない・・・、いーから麦茶パクってくるわ」


「ついでに麦茶のパックもスってきてください。作った方がイチイチ取りに行かなくていいです」


「んじゃちょっと行ってくるから」


「いってらっしゃいですよ」






姫の言語力も直してあげなくちゃ。盗るとか使っちゃいけないよ。

よし、このままいくと、彼女に逢える・・・!!!

軽い足取りで階段を上がる(相変わらずぎしぎし軋むけどもう慣れた)(人間慣れが肝心だ)


コンコンっときちんとノックする(たとえ前まで自分の使っていた部屋だとしても)


・・・・・返事がない。ま、いっか。






「いー、麦茶のパックちょうだー・・・・」


「う、うきゃあああああああああああああああああああああっ!」


「・・・・・・・」


「・・・・・・・」


「・・・・・・・」


「お、お、お寿司だあっ!」


「・・・・・・・・・・・・・・え?」


「いただきますっ!」


「、ああっ!玉子はわたしのなのにっ!」


「・・・・・・・・・・・・・」


「お邪魔します」






沈黙したいーを尻目に、靴を脱いで部屋にあがった。

だって、目の前には、匂宮理澄 が居るのだから。




















        





≫お久し振りです、ごめんなさい。下書きなしです、ごめんなさい。急いでました。
 番外編かくーって言ってましたが、ヒトクイ入りました。はやく狐さんを出したかっただけです。
 番外は、ヒトクイを平行してアップしていきますので。も、萌太君を!!!
 次回はー、理澄ちゃんと絡ませる予定です!出夢君も早く出したい!(20051203)